埼玉県指定有形文化財
久米御前宝篋印塔

板石塔婆とは、板石卒塔婆、板碑とも言い、卒塔婆を板石に彫刻し、供養塔とした石碑である。
卒塔婆(そとうば)とは、佛教の発祥であるインドの古典言語、サンスクリット語の「ストゥーパ」を漢字に音訳したもので、卒塔婆、塔婆、塔(以下「塔婆」に統一)とも言われます。
佛教をお開き下さった、釈尊(お釈迦様)は八十歳で遷化されます。お弟子様、信者は偉大な指導者が逝去されたことを大いに悲しみ、荼毘に付しました。
お弟子様は、釈尊の足跡を後世に伝えるため、釈尊の舎利(遺骨)を“塔”に収め、形見分けします。お弟子様は各地に記念碑として“塔”を建立しました。人々は塔に礼拝することで、釈尊を讃えたのです。塔は、インドにおいて万物の構成要素(元素)として考えられていた「五大」(地・水・火・風・空)を模した、五輪塔として構築されました。
この五輪塔にならい、石又は木片に五大を彫刻し、施主名や願意(追善、逆修等)などを表示したのが塔婆です。なお、塔婆の他、位牌や墓石なども五大を模すことが多いです。佛教の世界観の中で供養の真心を表示しております。
塔婆のうち、石を板状に加工し梵字(み佛を象徴する表記)や施主名、供養日、願意などを彫刻したものが「板碑」です。当地は、近くに一級河川「黒目川」があり、奥武蔵(秩父)地域から産出される緑色片岩を加工し、船にて運搬し、当寺に供養塔として建立されました。従って、関東地方では多くの寺院に板碑が存在しております。
当寺は、時宗念仏道場として発展した経緯から、多くの信者が集まり、板碑を建立したものと思われます。
現在、当寺には大小11基の板碑があり、境内で常設展示しております。
なお、1基は新座市立歴史民俗資料館(れきしてらす)でも展示しております。